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| 美味しい日本酒のお話 第一話・杜氏からのメッセージ |
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| みなさん、こんにちは。私は竹鶴酒造の(*)杜氏で石川達也と申します。 まず初めに、簡単に自己紹介をさせていただきます。 一九六四(昭和三九)年二月生まれの四十歳、この冬で酒造りの世界に入って十五年目、杜氏になって九年目になります。杜氏としては、まだまだ若輩にすぎません。 酒造りの仕事を始めたのは埼玉の神亀酒造という蔵で、師と仰ぐ親方は越後(新潟)杜氏でした。その後広島の実家に帰って竹鶴酒造に入り、三年目から杜氏を任されています。 つまり、越後杜氏仕込みの広島杜氏という変わり種です。 広島で杜氏の里といえば安芸津が有名ですが、私の出身は西条(東広島市)ですし、従来の杜氏制度から生まれた杜氏ではありません。 いわば、新世代杜氏の第一期生くらいにあたります。 ちなみに広島は、全国でも若手杜氏の充実度が高いところです。私と同世代か、あるいは下の世代に、個性的で活きのいい杜氏、蔵人が続々と育っています。そんな新世代杜氏に共通していることですが、私も酒造りが好きでたまらず、見るもの聞くものすべてを酒に結び付けて考えてしまう、酒造り中毒(アルコール中毒とは違います)の杜氏です。 さて、酒に魅せられてこの仕事を選んだ私は、酒の素晴らしさを広めたい、酒のことをもっと知ってもらいたいという気持ちを以前より抱いておりました。 そしてこの度、「蔵の中で酒造りに精を出すだけでいいのか、わかってもらう努力もするべきではないだろうか」との思いから、ここ竹鶴の酒蔵からみなさんへのメッセージをお届けさせて頂きます。 それでは、わかっているようで意外に知られていない酒のあれこれを、杜氏の私からみなさんに、およそ10回に分けてお話しさせていただこうと思います。 特に、一般には常識とされていることが本当は間違っていたり、他の見方があったりする事例を取り上げていく予定です。 今は酒の造り手としての顔も持ちますが、私はもともと酒に惚れて杜氏を志した人間です。 なので、未だに飲み手としての意識を強く持っています。ですから、酒業界人として意見を述べるというよりも、みなさんと同じ目線に立ってお話をしていくつもりです。 話の進め方としては、なぜ竹鶴はそうなのかという説明が中心になりますけれども、竹鶴の宣伝をすることが主眼ではなく、あくまで酒についての理解を深めていただくことが目的です。 皆様に、このコラムを通じて酒というものをより身近に感じていただけたなら本望です。 2005年1月15日 竹鶴酒造 杜氏 石川達也 *杜氏(とうじ=酒蔵における酒造りの総責任者) |
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